干ばつ対策の雨水タンクが完成

タミル小学校で保守の研修を実施

 近年連続している極端な干ばつによる水不足に対応するための雨水タンクが、タミル小学校に設置され、2020年1月28日にその保守作業の研修が行われました。

 欧州連合(EU)が2020年までの3年計画で400万ユーロ(約5億円)を投じ、太平洋諸国が設立した国際機関The Pacific Community、略称SPCが実施主体となって、島々にタンクを設置する事業の一環。タミル地区のタンクは、昨年11月に設置され、試験運用が始まっていました。今回は、専門家が現地を訪れ、危機が正常に動いているのを確認すると同時に、地元で保守が出来るよう研修を行いました。

 この日、小学校の教師3人のほか、SPCのミクロネシア担当であるショーン・ガアラッドさん(TRCTの会長でもあります)、TRCTのコーディネータ3人、地元住民2人などが集まり、技術者からタンクの仕組みを教わりました。

 水は、小学校のカフェテリアの屋根から、といを伝って集められ、木の葉っぱなどを取り除く網を通った後、大きさの違う砂などを通ってろ過され、1本1,500リットルが入るタンク4本に蓄えられます。

 このタンクで地元民が毎日最低3リットルの飲料水を使いながら3週間以上生存できるように設計されています。

 太平洋諸国では2016年に大規模なエルニーニョ現象が起きたのをきっかけに、地域によっては11カ月雨が降らないという干ばつに襲われました。ヤップ島でもこの年の2月から5月までカラカラ天気が続き、タミル地区では大規模な山火事まで発生。約1キロメートル四方が黒焦げになるという事態も起きています。

 エルニーニョ現象では、太平洋の赤道東部の海水温が高くなり、ヤップ島を含む西側で干ばつが起きるとされています。このため、EUがエルニーニョ対策プロジェクト(Readiness for El Niño, RENI)を始めたのでした。

(現地ボランティアスタッフ 後藤はるか)

RENiプロジェクトでのカピンガマリンガ環礁でのタンク設置の様子(英語)