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夜の海でナマコ686個体を収集

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 2020年1月24日、TRCTのKenとJanice、メルール村のDavid、ミクロネシアカレッジのElijanとSalven CMが、メルール村沖に設けられたナマコの養殖場で、夜間のナメコ収集作業を行いました。これに、エコプラスの大前と後藤が同行しました。

 晴れて明るい夕方、船で現地に着いた私たちは、暗くなるのを待ちました。夜になると、それまで砂に潜っていたナマコが出てくるというのです。水深は1m前後、大人の胸ぐらいの深さです。約100m四方を網で仕切って養殖場が設置されていました。

 網の中に入って、頭を水の中に沈めます。私はジャニスとペアになって、水中ライトを持つ係となりました。海底を照らしても、なかなかナマコは見つかりません。細い葉を持った海藻が繁っていて、その根本にいるナマコはなかなか見つけられません。砂を巻き上げると視界が悪くなるので、そーっと歩き、静かに潜らないといけません。

 その中でジャニスは、次々にナマコを見つけていきます。びっくりする早さでした。後で聞いたところ、3年前にプロジェクトが始まった時には、彼女はこわくてナマコを触ることもできなかったそうです。

 4時間の作業で捕まえたナマコは、686匹にもなりました。数を数えたあと、ボートで移動しながら、ナマコを浅瀬の藻が生えた場所に放流しました。

 この作業は、養殖場のナマコを全て捕まえ、放流することで一区切りとなります。すべてのナマコを捕まえて放流し、仕切りの網を修理して次の養殖プロジェクトを始めるのだそうです。

 大変な作業でしたが、夜の海の上で見上げた星空は、とってもきれいでした。

(ECOPLUS/TRCT 現地ボランティアスタッフ 後藤はるか)

干ばつ対策の雨水タンクが完成

タミル小学校で保守の研修を実施

 近年連続している極端な干ばつによる水不足に対応するための雨水タンクが、タミル小学校に設置され、2020年1月28日にその保守作業の研修が行われました。

 欧州連合(EU)が2020年までの3年計画で400万ユーロ(約5億円)を投じ、太平洋諸国が設立した国際機関The Pacific Community、略称SPCが実施主体となって、島々にタンクを設置する事業の一環。タミル地区のタンクは、昨年11月に設置され、試験運用が始まっていました。今回は、専門家が現地を訪れ、危機が正常に動いているのを確認すると同時に、地元で保守が出来るよう研修を行いました。

 この日、小学校の教師3人のほか、SPCのミクロネシア担当であるショーン・ガアラッドさん(TRCTの会長でもあります)、TRCTのコーディネータ3人、地元住民2人などが集まり、技術者からタンクの仕組みを教わりました。

 水は、小学校のカフェテリアの屋根から、といを伝って集められ、木の葉っぱなどを取り除く網を通った後、大きさの違う砂などを通ってろ過され、1本1,500リットルが入るタンク4本に蓄えられます。

 このタンクで地元民が毎日最低3リットルの飲料水を使いながら3週間以上生存できるように設計されています。

 太平洋諸国では2016年に大規模なエルニーニョ現象が起きたのをきっかけに、地域によっては11カ月雨が降らないという干ばつに襲われました。ヤップ島でもこの年の2月から5月までカラカラ天気が続き、タミル地区では大規模な山火事まで発生。約1キロメートル四方が黒焦げになるという事態も起きています。

 エルニーニョ現象では、太平洋の赤道東部の海水温が高くなり、ヤップ島を含む西側で干ばつが起きるとされています。このため、EUがエルニーニョ対策プロジェクト(Readiness for El Niño, RENI)を始めたのでした。

(現地ボランティアスタッフ 後藤はるか)

RENiプロジェクトでのカピンガマリンガ環礁でのタンク設置の様子(英語)

ナマコ730個体を計測し、自然界に放流

 1月20、21日、TRCTは、College of Micronesia(COM)のCooperative Research & Extention(CRE)と共同で、これまで養殖をしてきたナマコの計測作業をサポートしました。
 3年前から、COM-CREとTRCTはタミル地区西方のメルール村の沖合いに養殖場を設置し、Sand fish(学名:Holothuria scarba)という種類のナマコを養殖してきました。養殖の初期は小さな受精卵でしたが、今では20cm前後の個体もあるほど見事に成長しました。

 2日間の作業で、730のナマコが計測のために浅瀬の養殖場から村のメンズハウスに持ち込まれました。すべてのナマコの体長と体重の計測後、村の沖の藻が生えている浅い海へ放されました。

 この調査の目的は、ナマコの成長速度を確認することです。本来ナマコはヤップの海にはたくさんいたのですが、中国への輸出を目的とする乱獲によって、絶滅寸前まで追い込まれました。
 この状況を改善することを視野に、この養殖プロジェクトはCOM-CREとサポーターのTRCTによって始まりました。

 COM-CREの専門家によると、ナマコは「海の掃除屋」と呼ばれるそうです。ナマコは陸から流れ込んできた堆積物を食べ、フィルターのように排出します。ナマコは海を健康に保つために重要な役割を果たします。十分な数のナマコがいなければ、海水が濁り、日光が届かないために暗くなります。そうなると、サンゴが育つことができません。健康なサンゴは魚や他の海の生きもののより良い生息地となるのです。

(現地ボランティアスタッフ・後藤はるか)

シャコガイのクリーニング

 タミル地区の禁漁区(No-Take-Zone)内にあるシャコガイ養殖場にて、シャコガイの清掃活動が行われました。前回は4月7日に行われましたため、約1カ月ぶりの実施となりました。

 参加者は、Tamil地区の若者ら5人に加え、Janiceと千場の計7人。

 畳1枚ほどの大きさの浅い箱形のいれものが、金属の網で覆われています。貝の成長にあわせて新しくしたゲージの方のシャコガイに多くの藻が張り付いているのが観察されました。

 死んだシャコガイは見つからず、清掃活動後、シャコガイを撮影した写真を基に数を数えたところ、新旧ゲージ合計で399個のシャコガイが確認されました。

 今回の清掃活動では、シャコガイそれぞれが大きくなってきたため(幅6インチ=15センチ=を超えるものも出てきました)、応急措置として、中で区分けしている仕切りを取り外し、成長できるスペースを確保しました。また、シャコガイを1つ1つ取り出しては磨いて戻す作業を繰り返し、簡単に数えられるように綺麗に整列させました。

 全てのシャコガイが元の白色に戻り、綺麗に整えられましたが、2時間30分近くかかり、終了後は、皆、かなり疲れた様子でした

禁漁区の活動を他団体に紹介

170218TRCT清掃活動.jpg 2017年2月17日、タミル地区の西側にあるオキーフ島にて、トミル自然保護基金(TRCT)が主催した「Retreat(Potluck Party)」というイベントが行われた。

 TRCTが取り組んでいる活動を、交流がある他の団体に見せるために、初めて開催したイベントであった。タミル地区の村々で作る地域協議会(Tamil Council)、ヤップ島の地域活動協議会(Yap Community Action Program, TapCAP)、海洋資源局(Marine Resource)、タミル青少年協議会(Tamil Youth Organization)など多くの団体が参加した。小学生から60代の大人まで幅広く、計約60人が集まった。

 当初は、オキーフ島の崩れた岸壁の修復活動、禁漁区に設置した標識を見学し、現在、メインの活動となっているシャコガイ養殖場の様子を見学してもらう予定であった。しかし、天候はあいにくの雨で、加えて全団体が島に集合したのが、12時30分すぎとなったため、岸壁の修復活動は取りやめた。その代わりに一足早く到着した、日本人大学生ら5人が島のゴミ拾い活動を行い、残りの2つの活動を、昼食を挟んで行うこととなった。

 島には、様々なゴミが捨てられており、分別回収するのに大変苦労した。特に驚いたのは、カセット式のガスボンベが10本近く捨てられていたことだ。ガスを島に持ち込んでパーティーを行い、そのまま捨てて帰る人が多いことが分かった。

170218あれる海でシャコガイ清掃 13時過ぎ、曇り空の中、10人以上乗れる大きな船2隻と小型ボート1隻が島を出発し、禁漁区の標識見学を行った。しかし、途中で非常に激しい雨と風が吹き荒れ、現場に到着して説明を行い、15分も経たないうちに島へ引き返すことになった。

 その後、雲の隙間から晴れ間がのぞく中で、料理を持ち寄った昼食パーティーが開かれた。団体・グループという垣根を超えて話し合う昼食会は非常に盛り上がり、意見交換が盛んに行われた。昼食後は、雨が降る中、禁漁区内の標識見学に行かずに昼食会の準備をしていた若い世代を中心に、シャコガイ養殖場の見学を行った。シャコガイが入っているゲージの蓋を開けて、ゲージ内部や個体を、それぞれを丁寧に磨いた。シャコガイ見学の参加者が20人ほどいたため、見学だけでなく、貝の清掃まで行うことが出来た。活動終了後、最後に再びO’Keef島へ戻り、閉会式が行われ、約50人で記念撮影をして、初開催の「Retreat(Potluck Party)」は18:00頃に終了した。(報告千場朗)

夜のサバ漁

ロウニンアジを釣り上げる

 2016年10月25日の午後7時から翌日未明にかけて、Tamil地区の禁猟区外でサバ漁を行いました。切れ目のない当たりが続き、魚影の濃さを確認することが出来ました。

 午後6時ごろから準備を始め、日没後の午後7時過ぎに出発しました。漁場に着いた後、錨を降ろして船を固定させ、サバ漁専用の6本のオキアミの形をした小さなルアー(日本のメーカーの針でした)が付いている仕掛けを用意し、糸を垂らす形で漁を開始しました。

 漁を開始した直後から、一緒に行った3人全員の仕掛けに当たりが続き、多い時には6本中5本の仕掛けに食いついて釣れることもありました。中でも、1番の当たりは、ロウニンアジ(Giant Trevallie)という魚でした。

 それまでの当たりとは大きく異なり、釣り糸を引き上げようとしても全く動きませんでした。逆に海中に引きこもうとしてきます。そこで無理に引き上げず、しばらく釣糸を緩めて遊ばせます。そして、魚の引き込みが緩くなった時に遊ばせた分の釣り糸を一気に引き上げます。そのような駆け引きを何度も続け、10分弱が経過した頃、魚の引きが弱くなったところで一気に攻勢をかけて釣り糸を引き上げ、最終まで釣り糸を切らずに釣り上げることに成功しました。

クーラーボックスいっぱいになった魚

 クーラーボックスに魚を入れた直後、集中力が切れて全身に疲労と上半身に筋肉痛を感じましたが、その疲労と痛み以上に、この10分弱の駆け引きは素晴らしい経験でした。サバ用の釣り糸で大きなサイズを引き上げるのは珍しいとのことで、JohnさんとStanさんにもほめていただきました。その後、大きな当たりはなかったものの、サバは3人で合計50匹以上釣り上げました。

 海から戻った後は、10匹以上のサバを分けていただいたため、翌朝、近所の方々にお裾分けをしました。持って行った際に「ありがとう!今日の夕飯ですぐ食べるね」と笑顔で感謝してもらい、6時間以上の漁に行って良かったと感じました。
 釣ったサバは焼き鯖にし、ロウニンアジはスープにし、海の恵みに感謝しつつ、美味しくいただきました。(報告千場朗)

Yap Dayを通してみる伝統継承

ヤップデイでの踊りの様子

ヤップデイでの踊りの様子

昨年から早稲田プロジェクトと関わるようになったYap Dayについて報告します。2月29日~3月1日に開催され、私たちは29日の10時半~13時半、1日の夜(メンズダンスのみ)に参加しました。

Yap Dayは、若い世代に伝統文化を継承していくために始められたものであり、観光客相手ではない。そのためタミルで開催された昨年は、すべてローカルなものにこだわっていた。水道の蛇口をはずし、ライトを使わずに火をつけ明かりを灯し、なによりも伝統衣装でないと入ることが出来なかった。

今年は、圧倒的に普段着が多く、電気をたくさん使い、昼に食べた弁当もローカルフードは少なく、大量のプラスチックボックスが捨てられていた。

観光客であろう人もちらほら見られ、日本人もざっと20人程来ていた。前回訪れた時も、伝統的なダンスがコマーシャル性を帯びてきていることを嘆いている方がいらした。ヤップのダンスは対外的なものではない。南の島々には多くの伝統や文化があった。その島々が観光地化を背景に伝統的な生活や文化を失ってきた。観光地化や商業的なにおいが感じないところには。伝統が残っている。

過日訪れた隣国パラオは、現代的な空間ばかりになり、中国人と日本人の街のようであった。ホテルやレストランは中国系のものばかりが立ち並ぶ。観光地化の現実であると感じた。Yap Dayを通して、ダンスだけではなく、伝統継承とコマーシャル性という二つのバランスは、これからのYapでは慎重に考えていくべきものと思った。

新規役員が村の代表者からの選挙で選ばれました

 

The representatives from villages voting for new board members.

11の村からの代表者が投票をしています。1つの村からの代表者が欠席したので有効投票者数は10人でした。

The result of the election.

それぞれの役職について候補者名を投じた結果です。

2月26日、TRCTオフィスにおいてTAMIL地区の村の代表全員が集まり、president(会長), Vice-president(副会長), Treasurer(会計), secretary(秘書)を選出する選挙が行われました。投票の結果、会長にGaarad氏が、副会長にMarbey氏が、会計にHenry氏が、秘書にPitmag氏がそれぞれ選出されました。

候補者は村の代表12人の中から自由に選択式です。それぞれの4つの役職に自分以外の名前を1人ずつ記名投票していくという仕組みでした。

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